
序章:波乱の幕開け
2025年5月、東京・両国国技館で開催された大相撲夏場所は、初日から波乱の展開となりました。横綱・豊昇龍が前頭二枚目・阿炎に敗れ、連敗を喫するなど、上位陣の苦戦が目立ちました。一方、大関昇進を目指す王ノ里は、4日目まで無傷の4連勝を飾り、好調なスタートを切りました。
阿炎、豊昇龍を下し金星獲得
4日目、阿炎は立ち合いから喉輪で豊昇龍を攻め立て、最後は引き落としで勝利を収めました。これにより、阿炎は豊昇龍に対して4連勝となり、通算4個目の金星を獲得しました。阿炎は試合後、「初日から動きは良かった。集中して取り組みたい」とコメントしました。
王ノ里、無傷の4連勝で好調維持
3月場所の優勝者である王ノ里は、前頭筆頭・王鵬との対戦で、立ち合いから強烈な押し出しを見せ、わずか数秒で勝利を収めました。これにより、王ノ里は4連勝とし、無敗を維持しています。王ノ里は、今場所で再び優勝するか、優勝に準ずる成績を収めれば、横綱昇進の可能性が高まります。
大栄翔、押し出しで高安を圧倒
関脇・大栄翔は、持ち味の突き押しで小結・高安を圧倒し、4連勝を飾りました。大栄翔は大関昇進を目指しており、通常3場所で33勝が目安とされていますが、今場所で13勝以上を挙げれば昇進の可能性が高まります。
白鵬翔、復帰後好調なスタート
前頭七枚目・白鵬翔は、前頭八枚目・王勝との対戦で、顔面への張り手から素早く組み付き、土俵際で押し出し勝ちを収めました。白鵬翔は2023年7月の幕内デビューで優勝争いを演じた後、左肩の手術を受け、2025年1月に幕内に復帰しました。今場所は好調なスタートを切っています。
遠藤と錦木、無敗を維持
前頭十一枚目・遠藤と前頭十六枚目・錦木も、それぞれの取組で勝利を収め、4連勝を飾りました。両者ともに好調を維持し、優勝争いに名乗りを上げています。
若隆景、武風を破り3勝目
前頭四枚目・若隆景は、小結・武風との対戦で、低い当たりから前に出て押し出し勝ちを収め、3勝目を挙げました。武風は今場所初黒星となりました。
琴桜、若元春を下し星を五分に戻す
大関・琴桜は、前頭筆頭・若元春との対戦で、押し出しで勝利を収め、2勝2敗と星を五分に戻しました。琴桜は今場所、調子を取り戻しつつあります。
霧島、平戸海を圧倒
関脇・霧島は、前頭三枚目・平戸海との対戦で、立ち合いから一気に押し出し、3勝目を挙げました。霧島は今場所、安定した取り口を見せています。
混戦模様の夏場所
4日目を終えて、王ノ里、大栄翔、白鵬翔、遠藤、錦木の5人が無敗を維持し、優勝争いは混戦模様となっています。横綱・豊昇龍は2連敗を喫し、巻き返しが求められます。今後の取組からも目が離せません。